引き算するデザイン
2015-04-21


自動運転も視野に入ってきた最近の車事情・・・。まもなく10年になる私の車には「あると便利なバックモニター」が付いています。ただただシンプルに車後方を映し出すカメラ映像をナビのモニターへ表示するだけのものですがとても便利。そんな便利なものもただ一つ、何を考えてデザインしているのかと、一種の腹立たしさえ覚えるものがあります。

私の車に付いているナビはエンジンのスタート時に選局されているラジオ局をモニターに少しの間表示するようになっています。この表示がモニター画面の上部20パーセントくらいを占有するものだから、時刻やら現在地の表示やらがすっかり隠れてしまいます。

バックモニターの腹立たしさは、このラジオ局の選局表示が、ちょうど車をスタートしバックで移動しようとする、ちょうどその間中、表示されている事なのです。

そこで想像してみました、品物として形のデザイン・機能のデザインがどんなやりとりの中で商品になったのかを・・・。誰かが「ラジオ、どの局だか分かんないよね」と、すると「スイッチオンの時、モニターへ表示すれば便利だよね」、これで決まりです。おそらく、便利さの要求なんでしょうね・・・。でも、私にとってはこの上なく不便極まりないのです。そう、ラジオの選局情報が欲しいのではないのです。今はバックカメラの映像を鮮明に余すことなく見たいのです、時間・位置の情報が欲しいのです・・・そういう商品ではなかったのですか。

建築も当然、形・機能を持っています。要望を織り込み過ぎて本来の機能を少し置き去りにしているのではないか、形にこだわりすぎていないか・・・時々思い出さないとすぐに忘れてしまいます。
[日々]

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